今回のキャストは私が演じるキャストの中でも最高経験点を保持しつつ、最も出番の少ないキャスト、豹堂陣です。

“豹の瞳”豹堂 陣 クロマク◎●,レッガー,トーキー

『イレギュラー?――違うな、予定通りさ』

 斑鳩の外れ、中華街に程近い場所にあるバー“セイレーン”。高級感漂う天然の木材で形作られたシックな店内のカウンター席の片隅でグラスを傾ける情報屋にしてフィクサー、それが彼、豹堂陣である。

 もともとは地位ある両親のもとで何一つ不自由のない生活を送っていたが、そんな生活に満たされぬ思いを募らせ、十代半ばにしてストリートにドロップアウト。濃い闇の世界で持ち前の知力を尽くし、自分を満たす刺激を求めて様々な犯罪行為に耽溺していった。だが、それもまた彼を満たしきることはなかった。

 やがて目的を失いかけていた折に、転機が訪れる。
 陣はある一人の女性と出会い、その生き方に興味を持ったのだ。すべてが――人間さえも『情報』に過ぎないこのニューロエイジにおいて、それを彼女は完全に――世界を繰るように統べていた。彼女は情報屋であり、フィクサー。闇からの支配者だった。
 彼女と出会った、その事件のすべては彼女の手の内で踊っていただけ。その事実に愕然し、同時にまだ自分がたどり着く事もできない領域があることを知った陣は、その日からクロマクとなることを決意したのである。

 現在陣はバー“セイレーン”に拠点を置き情報屋として活躍している。幅広い情報網を持ちながらも、重要な案件に関しては自ら動き確認を怠らないという姿勢によって高い情報精度を誇り、クライアントからの評価も高い。
 そして最近はフィクサーとしての斡旋事業も少しずつ始めているようだ。

 ちなみにバー“セイレーン”のママ、ローレライは彼の≪腹心≫であり、クロマクとしての陣の顔としての役割を担っている。

プレイヤーから一言
 トーキョーN◎VAを遊ぶ目的の一つは「スタイルを貫きカッコつける」ことです。いや、正確に言えば『でした』になりますでしょうか。そう、かつてN◎VAを遊ぶということはDのように『楽しむこと』が目的ではありませんでした。『楽しむ』ということはできて当然で、その上でどれだけエッジに、どれだけドラマティックに物語を紡げるか。そういうスタンスを推奨されていました。N◎VAは今より一段階難しいシステムだったのです。

 その中において陣は、私自身がN◎VAプレイヤーとして慣れ、ある程度ののことができるという状況が生まれた時にあらためて私自身が純粋に「スタイルを貫きカッコつける」ことを目指すべく、万全の準備をして創り出したキャストでした。

 そのためのキーワードが『情報』でありクロマクというスタイルです。
 元々物語の黒幕的存在が好きだったこともあり、その部分を遺憾なく表現しようと考えるに当たって<社会>技能による表現や社会戦という戦闘システムがあることは幸いでした。コンセプトはプレイヤーの立場から物語を操る。

 そんなキャストだからこそ高い経験点をつぎ込むことに躊躇いはなく最高経験点キャストとなりました。が、こんなキャストを受け止められるRLなんてそうはいません。
 そんなわけで滅多に出番のないキャストですが、迷惑をかけないようにがんばります(苦笑)。

重要コネクション
・“セイレーン”ローレライ 関係:理性、生命
 ストレイライトにも掲載されたバー“セイレーン”のママ、ローレライ。陣の≪腹心≫として日々、コネクションとの折衝をこなしてします。
 二人の関係は、他人から見れば明らかに恋人のそれ。しかし、実際に二人の間に感情的なつながりは薄く、必要とあらば互いを切り捨てることもするでしょう。
 しかし、その一方で他の誰よりも互いにとって有効かつ、有用な存在であると認識するからこそ表面的に見える以上の深い信頼関係が成立しているのです。

豹堂陣のワンシーン
http://www.k4.dion.ne.jp/~cf0031ka/written/TOzinn.htm
イラスト
http://shibuya.cool.ne.jp/yatsugi/tukiyo/jin.html