リュウコ カブト●,フェイト◎,カタナ

今でこそイエローエリアに探偵事務所を開いているが、元々はストリートの荒くれ者だった。
人情からか義侠心からか、もめ事を解決するために、リュウコが呼ばれることが幾度となくあったが、逆にもめ事を広げてしまう結果になることが多かった。
その事で、リュウコなりに思うことがあり、一旦ストリートから離れることを決意した。
タバコもやれば、酒もやる。
そして、リュウコが愛した女性がいた。
グリーンエリアに住む女性と結ばれ、一女をもうけることが出来た。
しかし、安寧した生活は長くは続かなかった。
妻はグリーンエリアで慎ましい生活をし、リュウコには、何処かの企業で働いてもらい平穏な日々を送りたいと思っていた。
だが、ストリート上がりのリュウコは、ストリートとの関わりのあるイエローエリアでの生活を望んだ。なぜなら、かつてのストリートと関わり合いのある人々がいたからだ。
リュウコは、妻が望むような生活をすることは出来なかった。
妻とリュウコ、お互いが妥協点を見つけ合おうと努力をしようとしたが、素性の違いから、すれ違うことが多々あった。
結局、リュウコと妻は、喧嘩別れに終わってしまった。
ある日、リュウコがグリーンエリアの我が家に戻ってみると、妻は子供を連れて、去っていた。
よくドラマであるような置き手紙はなかった。
だが、淋しさはあるのもの哀しさはわき上がらなかった。
リュウコも妻も、こうなる事は予想していたからだ。

リュウコは、イエローエリアに探偵事務所を開き、ストリート上がり経験をいかして、探偵稼業を営み始めた。仕事としては、そこそこやっていけることで安心をした。
リュウコが憧れるような推理小説の名探偵ではないが、いつかは!と思うのであった。

タバコは、子供が嫌っていたので、禁煙をしようと心がけ、禁煙パイポを吸っているが、これも最近では、滅多に吸わなくなった。
物事が煮詰まった時にしか、気分転換のため禁煙パイポを出さなくなった。
いなくなった妻と子供のおかげで、今も、禁煙は続いている。

事務所はイエローエリアにあるが、生活の場はグリーンエリアの家にある。
なぜならば、ストリートでの生活があったように、ここでもリュウコの家庭があった場なのだから。
写真立てに、リュウコの家族の写真がある。これを残していったのは、妻からの贈り物なのだろうと、リュウコは思っている。
そして、写真立ての写真は、今では、リュウコの胸ポケットの中に大切にしまわれている。