プライベート・ライヴズ

プライベート・ライヴズ

「イチャイチャしていたのにメチャメチャ!?」
これが、この作品のキャッチフレーズ。
読んでわかるとおりの、お互い二度目の新婚旅行で偶然であった元夫婦がくりひろげるどたばたラブコメディー……と、一言で言えばなるのでしょうが。
いや、面白いのなんのって。軽快なやり取りにちりばめられたお洒落でセンスの良いギャグと、ラブラブだったかと思えば一転して始まる容赦のない殴り合い(いやもう本当、あんな激しい夫婦喧嘩のアクションシーン、初めて見ました)に象徴される、苦笑するしかないリアルな心の動きの表現。
言葉で表現するのって本当に難しいですが、秀逸な大人のラブコメです。もしも機会があるなら、ぜひとも観て欲しいなあ……というより、視点を変えて(というのも、上演されたのが丸い舞台を180度ぐるりと客席が取り囲む、と言う特殊な劇場、青山円形劇場だったのです。席の位置によって、同じシーンも見え方が違うはず!)自分でももう一度見てみたい、それほどの良作です。



もともと、緋月の好きな劇団「キャラメルボックス」の、さらに最も好きな俳優である西川浩幸さんが出てると言うことで見に行った作品なのですが……
西川さんに限らず、4人+1人の登場人物全てがとても魅力的で、特に主演の葛山信吾(緋月は知らなかったんですが、真珠夫人に出てた人らしいですね〜)演じるエリオットのかっこいいことと言ったらもう!(笑) 刹那主義で皮肉屋、というパーソナリティが、緋月の好みのようだと再確認です……現実にいたらともかくとは思いますが(苦笑)
この魅力は、丁寧に表現された彼らの人間味が大きいのかもしれません。ただでさえ小さな劇場の、それも一番前列という好条件のおかげで、生き生きした表情を楽しめたせいもあるのでしょうが。
TRPGの話題にこじつけるなら、ぜひともPCのロールプレイの表現に生かせたらと思うわけです(取ってつけたように)。
また、この作品、小道具の使い方も秀逸で。特に目を引いたのが煙草。なんと、舞台上で実際に火をつけて吸ってるのです。
煙草をわけてあげる、火をつけてあげる、一息間を作る、と大活躍しているのですが、特にラストシーンで、元夫婦同士が他二人の口げんかをよそに、二人で一本の煙草を交代で吸いながらくすくす笑ってる、と言う演出が、そのままこの大人なラブコメの象徴っぽくて素敵でした。
今後、煙草を吸うキャラをやるときに、ぜひとも生かしたいと思います(笑)



個人的には、演劇ってドラマよりも、小説に(それからTRPGにも)近いものだと思うのですよ。
劇団四季のミュージカルくらい予算かけてるところはともかくとして、大抵舞台装置は限られているから、同じセットで違う場面を表現したりするのは当たり前で、観客は自分の想像力も使用して場面場面をつなげていかなければならない。そんなところが、似てると思うのです。
だから、TRPGを遊ぶなら、ぜひとも1回観劇ってしてみると良いのじゃないかなあ、と言うのが緋月の主張だったり。
もしも良かったら、チケット取りからいたしますので、緋月と一緒に演劇鑑賞してくれる人募集中ですよん♪
次回予定は演劇集団キャラメルボックスクリスマス公演「少年ラヂオ」だ!(西川さんは出ないけど(泣))